通巻 097 号 2026.11.05

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猫と犬の腎臓を守る、毎日の研究誌

二つの同じ器のそばで人の指さしを見る猫の生成説明画像
生成した説明用イラストです。猫と器、指さしの場面は架空で、実際の研究対象や実験を再現したものではありません。

2026.11.05 第097号 猫の行動と研究 4分

猫は人の指さしを見て動く?小規模研究の結果と限界

実験で指した先を選ぶ反応が見られても、猫が人の意図をどこまで理解したかは別の問いです。

猫は人の指さしの先を選べる?

人が何かを指した時、猫がその方向を見ることがあります。その反応から「指さしの意味を理解している」と言えるのかは、見た目だけでは分かりません。研究では、決められた課題の中で猫が人の手の合図にどう反応するかを調べます。

2023年に『Journal of Comparative Psychology』で公表された研究は、保護猫9頭に二つの選択肢を示し、人の直接的な指さしと、腕を体の前で交差させる指さしを用いた課題を行いました。論文要旨では、全試行をまとめた成功率は74.4%と報告されています。これは「猫の74.4%が指さしを理解した」という意味ではなく、この研究の課題で観察された選択結果です。

9頭の結果を、すべての猫へ広げない

参加した猫は9頭で、20試行を完了した7頭のうち5頭が、偶然を上回る成績を示しました。残る2頭は10試行のみでした。少数の保護猫を使った実験結果なので、家庭で暮らすすべての猫や、別の環境・合図にそのまま当てはめることはできません。

研究者は、猫が指さしの先を選んだ理由として、指が向けられた場所や手の動き自体が注意を引いた可能性を除外するには、さらに研究が必要だとしています。したがって、この結果だけから、猫が人の意図や言葉を人間と同じように理解していると結論することはできません。

家での反応は、単独で能力の証明にしない

指さしに反応するかどうかは、猫がその時に手を見ていたか、周囲に気を取られていたか、示された物に興味があったかなど、状況と切り離せません。これは研究で家庭内の反応を検証したという意味ではなく、実験結果を日常の一場面へ広げすぎないための見方です。

反応しない時に「理解していない」、反応した時に「人の意図を分かっている」と決める必要はありません。何を見ていたか、どのような合図だったかを観察する程度にとどめましょう。猫の名前への反応については「[猫は自分の名前を聞き分ける?](/journal/cat-name-recognition/)」でも、実験で確かめた反応と日常の行動を分けて紹介しています。

急な行動変化は行動実験と分けて考える

指さしへの反応は、家庭で健康状態を判定する検査ではありません。いつもと違う行動が急に現れ、食事、排泄、歩き方、目の様子などにも変化がある場合は、行動の個性だけと決めつけず、観察した内容を動物病院へ相談してください。この記事は診断やしつけの効果を示すものではありません。

まとめ

小規模な二択課題では、9頭の保護猫が人の指さしに反応し、グループ全体で偶然を上回る選択が報告されました。一方、少数の対象であり、反応が指さしの意図理解を示すかには追加研究が必要です。一回の反応から猫の知能や気持ちを決めつけず、日常の変化を観察しましょう。

この記事の根拠と執筆情報

執筆・発行
JIN活研究所
公開日
2026-11-05
更新日
2026-11-05

根拠・出典

読み方の補足:2023年の研究は保護猫9頭を二択課題で調べ、全試行の成功率74.4%を報告しました。20試行を完了した7頭中5頭が偶然を上回る結果でしたが、2頭は10試行のみでした。研究者は場所や刺激への注意が結果を説明する可能性を除外するには追加研究が必要とし、全ての猫や日常場面へ一般化していません。

獣医師への相談

症状や飲水量・尿量・体重・食欲の急な変化、検査での指摘、投薬中、妊娠・授乳中、食事やサプリメントを変える場合は、開始・変更の前にかかりつけの獣医師へ相談してください。処方薬や療法食を自己判断で中断・変更しないでください。

関連ページ:猫は自分の名前を聞き分ける? ・ 猫のゆっくりまばたきと接し方

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状がある場合や食事・投薬を変更する場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。

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