
犬がしっぽを振るのはうれしい時だけ?研究で分かることと観察のヒント
しっぽだけでなく、犬の全身とその場の状況を見ましょう。
しっぽを振っているだけで、近づいてよいとは限らない
犬のしっぽ振りは、体の一部の動きだけで気持ちを決めるのが難しい行動です。犬自身の姿勢や表情、周囲の状況と合わせて考える必要があります。
しっぽの左右の動きを調べた実験
2013年の研究では、被験犬に、しっぽを左右どちらかへ偏って振る犬の映像を見せました。研究者らは、映像の違いに応じて、被験犬の心拍活動や不安に関連する行動の点数が変化したと報告しています。
これは、犬が同種のしっぽの動きの違いに反応するかを、映像を使って調べた実験です。散歩中に見る全てのしっぽ振りを、左右の向きだけで個体の気持ちや次の行動まで判定できるという結果ではありません。左右の向きは、見る人から見た左右と犬の体の左右を混同しやすい点にも注意が必要です。
全身と場面を見て、安全な距離を保つ
Dogs Trustの解説も、犬の気持ちを読む時は、しっぽだけでなく全身と状況を見ることを勧めています。見知らぬ犬に近づく時は、しっぽが動いていることだけを合図にせず、飼い主の許可を得て、犬が近づきたがらない様子なら距離を取りましょう。体がこわばる、顔をそむける、後ずさるなどがあれば、触ろうとせず、犬が離れられる余地を残します。
しっぽの動きが急に変わった、触れると痛がる、けがが疑われる時は、行動の解釈だけで済ませず動物病院へ相談してください。散歩でほかの犬に反応する場合の距離の取り方は、研究誌の「犬が散歩中にほかの犬へ吠える時」の記事も参考になります。
まとめ
実験では、映像のしっぽの左右の動きに対する犬の反応が調べられましたが、個々の犬の気持ちをしっぽだけで判定する方法を示したものではありません。全身と場面を見て、迷った時は距離を保つことを優先しましょう。
この記事の根拠と執筆情報
根拠・出典
- Siniscalchi et al., Current Biology — Seeing left- or right-asymmetric tail wagging produces different emotional responses in dogs(犬が同種のしっぽの左右偏りを見た時の反応)
- Dogs Trust — How to Understand Your Dog's Body Language(全身と状況を合わせて観察する案内)
読み方の補足:査読研究は、左右どちらかに偏ったしっぽ振りの犬の映像を、別の犬が見た時の反応を調べたものです。個々の犬の気持ちをしっぽの向きだけで判定する規則を示すものではありません。
獣医師への相談
症状や飲水量・尿量・体重・食欲の急な変化、検査での指摘、投薬中、妊娠・授乳中、食事やサプリメントを変える場合は、開始・変更の前にかかりつけの獣医師へ相談してください。処方薬や療法食を自己判断で中断・変更しないでください。
関連ページ:犬が散歩中にほかの犬へ吠える時の距離と記録