
犬の耳掃除は必要?自宅で触れる範囲と受診の目安
掃除の回数を決めつけず、耳の様子を見てから次の行動を選ぶ。
犬の耳掃除は、毎日の決まりごととは限らない
犬の耳が少し汚れて見えても、すべての犬に定期的な洗浄が必要とは限りません。英国の動物福祉団体PDSAは、多くの犬では日常的な耳掃除は不要で、必要性や頻度は獣医師に相談するよう案内しています。耳の形や体質、過去の耳のトラブルによっても個体差があります。
そのため「何日に一度」と一律に決めるより、まずは耳の外側を見て、いつもと違う様子がないかを確認することから始めましょう。この記事で紹介するのは家庭での観察と相談準備であり、病気の診断や治療方法ではありません。
掃除の前に、赤み・におい・痛がる様子を確認する
耳の赤みや腫れ、触れた時の痛み、強いにおい、分泌物がある場合は、自己判断で洗浄せず、先に動物病院へ相談してください。頭を何度も振る、耳をしきりにかく、片側だけを床にこするなどの変化も、受診時に伝える情報になります。
こうした変化がある時は、耳の中に洗浄液を入れることが適切とは限りません。PDSAも、耳に問題が疑われる場合は洗浄より先に獣医師へ連絡するよう案内しています。耳垢の色だけで原因を決めつけず、気づいた時期や左右差をメモしておきましょう。
獣医師から洗浄を勧められた場合に確認すること
洗浄が必要と言われたら、使用する製品、手順、頻度をその子に合わせて確認します。PDSAは犬用の耳洗浄剤を使い、綿棒を耳の中へ入れないよう案内しています。綿棒で奥をこすると、汚れを押し込んだり耳を傷つけたりするおそれがあるため、家庭で奥まで掃除しようとしないでください。
耳に触れられるのを嫌がる、途中で痛がる、頭を激しく振るなどがあれば中止します。人用の薬や家庭にある液体で代用せず、獣医師に相談しましょう。薬を使用中の場合は、洗浄する順番や間隔も処方した病院の指示を優先します。
なお、PDSAの案内は英国の飼い主向け資料です。日本国内の診療や製品の指示を定めるものではありません。実際に行う場合は、日本で診てもらっている獣医師の説明と製品の表示を優先してください。
受診前にメモしておくと伝えやすいこと
- いつから気づいたか、左右どちらか
- 赤み、におい、分泌物、頭を振る・かく様子
- 最近使った耳の薬や洗浄剤
- 耳を触った時の反応と、変化が起きた時期
見える範囲の写真を撮る場合も、耳の中へ器具やスマートフォンを押し込まないでください。強い痛み、腫れ、出血、ふらつきがある時は、記録より受診を優先します。
お手入れは「きれいにする」より、無理をしない
耳掃除をしないことが心配な時も、まずはかかりつけの獣医師に、その犬に必要なケアかどうかを確認できます。家庭での観察は診察の代わりではありません。この記事は一般的な情報であり、症状がある時は個別に動物病院へ相談してください。
この記事の根拠と執筆情報
根拠・出典
- PDSA — How to clean a dog’s ears(犬の耳掃除の要否、家庭での手順、受診相談。英国の飼い主向け案内、2023年3月)
- PDSA — Ear problems in pets(犬猫の耳の赤み・分泌物・頭振り等と相談の目安)
読み方の補足:PDSAの飼い主向け案内(英国、2023年3月)を一般情報として参照しています。日本の診療・製品の指示ではないため、清掃の要否・頻度・使用品は日本のかかりつけ獣医師の指示を優先してください。症状がある場合の診断や治療を示すものではありません。
獣医師への相談
症状や飲水量・尿量・体重・食欲の急な変化、検査での指摘、投薬中、妊娠・授乳中、食事やサプリメントを変える場合は、開始・変更の前にかかりつけの獣医師へ相談してください。処方薬や療法食を自己判断で中断・変更しないでください。